警察官という父の背中
わたしの父は警察官として日々夜遅くまで働いています。
公務員試験を受けた切欠は簡単なもので、大学進学を回避したかったからなのだそうですが
そう言って何度も挫折しかけたり転職の道を考えた父も今では班長にまで昇進しました。
確かにわたしは幼い頃から、父が不在であることを嘆く日が多くありました。
しかしわたしも成人して社会人として歩むようになり、その背中がいかに大きく立派であるのか少しながら理解し始めているところです。
たとえば警察で言えば、エリート組とそうでない者がいます。
つまり高学歴と低学歴が顕著に差別されてしまうのです。
父の場合は高校卒業後すぐ公務員試験に受かり警察という組織で働くようになりました。
そしてこつこつとうさぎとかめで言えばもちろんカメとして
険しい茨の道を越えて少しずつ成長していったのでしょう。
時には職場でのストレスで家族につらく当たり、
解消できないジレンマから悩み苦しんだ時期もありました。
休みの日は部屋に籠もりっきりで死んだように眠り
わたしたちはとても寂しく思っていました。
しかしこうして努力を重ねた現在は、多少の気性の荒さは残れど
休日には家族サービスに働き母の負担を減らすために多くの家事を担当してくれています。
国を守るということは、決して簡単なことではありません。
時には仕事のために何らかの犠牲を強いて
そしてひとつの命を守ったり支えたり助けたり、彼らはそうして身を削って働きます。
わたしは幼い頃からそんな父を見て育ちましたから
公務員という安定した立場であっても割に合わない職業なのだと実感しています。
しかし、国に尽くし国民を無条件で保護する仕事というのは
誰にも真似できない自分の世界を作っていく作業でもあると思います。
平和であったり安心であったり人に尊敬され感謝され愛される警察官。
公務員試験は困難な道かもしれませんね。
確かに、わたしの友人も二人二度目の試験で採用されました。
彼らは高校時代「超」のつく不良だったのですが、
警察官にお世話になったことから猛勉強に明け暮れ
大学へと進学し卒業を期に公務員試験を受けました。
苦しみを知っている人々は、絶対にわたしたちの危険をぬぐってくれる。
もしそれが茨の道だとしても、これ以上にやりがいがあることはないのかもしれません。
わたし達の町では今日も
陽光に照らされた警察官が交番の前で見回りをしています。
子供たちは安心した笑顔で、大人はまぶしい眼差しを彼らに投げている。
そしてわたしは彼らの汗を見つめ「お疲れさまです」と元気に声をかけるのです。